「便の中にブドウ糖を出す」という糖尿病治療薬の新しい作用を発見

2020年6月25日

 神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門の小川渉教授、放射線診断学分野の野上宗伸特命准教授らの研究グループは、世界で最も広く使われている糖尿病治療薬が「便の中にブドウ糖を排泄させる」という作用を持つことを、人を対象とした研究で明らかとしました。

 メトホルミンは60年以上前から使われ、現在も世界で最も多くの患者が飲んでいる糖尿病治療薬です。メトホルミンを飲めば患者の血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)は下がりますが、そのメカニズムは明らかではなく、メトホルミンの作用メカニズムの研究は世界中で盛んにおこなわれています。

 今回、PET-MRIという新しい放射線診断装置を用いた生体イメージング研究により、メトホルミンを飲んだ患者は、血液中のブドウ糖が、大腸から便の中に出ていく(排泄される)ことが解りました。これは今まで全く想定されていなかった新発見です。

 今回発見された「便の中にブドウ糖を排泄する」という作用によって、今まで明らかでなかったさまざまなメトホルミンの効果を説明できる可能性があり、また、この発見は新しい糖尿病治療薬の開発に繋がることが期待されます。

 この研究成果は、6月3日(米国東部標準時)に米国糖尿病学会学会誌「Diabetes Care」に掲載されました。
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