会長挨拶





一般社団法人 神緑会
 会長 山崎峰夫




【ご挨拶】

このたび、本年626日に開催された定時総会において神緑会会長を務めることとなりました昭和56年卒業の山崎峰夫です。前会長の神戸大学理事木戸良明先生(昭和61年卒)がこの4月より総括副学長として、同じく神緑会会員である藤澤正人学長(昭和59年卒)を側近として支えるという重職を担われることになったため、副会長の中でもっとも長く神緑会活動にかかわってきた私が当会会長をお引き受けすることとなりました。

自己紹介を兼ねて、私と神戸大学医学部とのかかわりを披露いたします。私は大学卒業後ただちに母校の産科婦人科学教室に入局し、1年の研修医生活ののち大学院に入り望月眞人教授(昭和32年卒)ご指導のもとで妊娠中毒症の病態に関する研究で学位を取得しました。その後も6か月の関連病院出向、1年間の米国シカゴ大学留学期間を除きほぼ神戸大学病院で過ごしました。特に昭和59年に開設された産婦人科と小児科が協力して運営する国立大学病院としては全国初の周産期母子センターにおいて多くの貴重な経験を得ました。

平成7年阪神淡路大震災の起こった年、研究グループのリーダーとしてご指導をいただいていた森川 肇先生(昭和41年卒)が奈良県立医科大学の教授に就任されたことから、私は同年7月より奈良県立医科大学に赴任いたしました。奈良では、臨床、研究、教育ならびに学会・医会活動など大学人として必要な全ての素養を得るべく森川教授より薫陶を受けました。残念ながら森川先生ご退任後の教授職を引き継ぐことはできませんでしたが、奈良での10年間は、今でも私が臨床とともに学会・医会活動において全力で取り組むことができることの源泉です。平成156月に神戸に帰り、国立病院機構神戸医療センター(当時院長奥村修一先生・昭和44年卒)に短期間お世話になった後、10月より丸尾 猛教授(昭和44年卒)のご高配にて10年ぶりに神戸大学に戻ってきました。丸尾教授が平成19年に学術集会会長として第59回日本産科婦人科学会を主催されたとき、運営の一端をお手伝いしたこと、教授ご退任後12か月の教授不在期間に教室の実質上責任者を務めたことは、いずれも得難い経験です。その後、新しい主任教授が赴任しましたが、当時の高井義美医学研究科長(昭和49年卒)より地域医療学担当の特命教授としてのポストを与えられ、410か月後、現職のパルモア病院院長として赴任するまで、他診療科ご出身の先生方とともに神戸大学における地位医療の教育に従事いたしました。

このように私の医師としてのキャリア形成を支えていただいたのはほとんどが神緑会の先生方です。そして、私が特命教授に就任したころから、当時神緑会会長を務めておられた前田 盛先生(昭和46年卒)から声をかけていただき、神緑会活動の中でも特に、ニュースレターの編集や、総会の準備などを中心にお手伝いをしてきました。また、そのうちに神戸大学全体の学友会という、各学部単独の同窓会の連合体のような公的組織にも参加しております。これらの活動を通じて、痛感したことは、いわゆる「同窓会」活動への会員の求心力はどのようにすれば高まるのか?という問題です。

医学部医学科同窓会は、卒業しても「同窓生」とのかかわりが何らかのメリットがある(かもしれない)ことがわかりやすいため、組織への求心力は高いだろうというのが他学部のOB,OGの方々の思いです。しかし、最近の会費納入率の推移をみると、特に学生さんや若い卒業生の先生方の中に、神緑会の存在意義が十分に伝わってはいないのでは、と思われる状況です。また、同窓会活動に求められることは、年代、居住地、現在の職種、などにより大きく変わるのは当然で、その最大公約数を求めることは困難と言わざるを得ません。ただ少なくとも、「わが母校の発展」を積極的に否定する人はごく例外的と考えます。

一方、大学医学部をとりまく状況は大変厳しいというのが現実です。よき医療人研究者の育成は当然のこととして、自助努力による競争的研究資金の獲得とそれに基づいた研究成果の蓄積、一方では、高度先進医療推進と地域医療振興策のセンター的役割の遂行など、それぞれがともすれば背反的性格を持つ全ての課題を同時進行的に進めることができなければ「母校の発展」は望むことができないとされています。

 

神緑会の先生がたにおかれましては、母校の発展に向けてそれぞれの持ち場でできる限りのご支援を賜りますことをお願いし、それをまとめて母校に伝えることが私に与えられた使命と認識しております。

 

今後もよろしくお願い申し上げます。

 

令和39月吉日






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